GM003とGM004は、今、海の上にいる。
まだ日本で、その姿を見てはいない。
けれど、物語は到着してから始まるのではない。
海の向こうで出会い、
この二台を迎えると決めた瞬間から、
すでに次の物語は始まっている。
海の向こうから届いたGM004と、
横浜で初めて対面した。
同じ海を渡ってきたGM003の隣にいるのに、
まとっている空気はまったく違った。
数年前に磨かれたアルミ。
そこには、
最近まで誰かが触れ、
かわいがっていたような気配が残っていた。
長い旅を終えて日本へ着いたばかりなのに、
不思議と疲れているようには見えない。
むしろ、
**今すぐにでも、次の物語を始められそうだった。**
ドアを開ける。
中を覗く。
ボディに触れてみる。
まだ、この一台の時間は動いている。
そんな感じがした。
ただ、後ろへ回ると、
ボディには大きな凹みが残っていた。
それを見た瞬間、
「直さなければ」
とは思わなかった。
なぜだろう。
**治してあげたい。**
そう思った。
新品のようにしたいわけではない。
古さを消したいわけでもない。
この一台が持っている生き生きとした雰囲気を残したまま、
もう一度気持ちよく前へ進めるように、
少しだけ手を貸してあげたい。
GM003の前では、
少し立ち止まりたくなった。
GM004の前では、
少し一緒に歩きたくなった。
同じ日に出会った二台なのに、
こちらへ語りかけてくるものはまったく違う。
だから、同じように直す必要もないのだと思う。
その一台が持ってきた時間に耳を傾け、
必要なことだけを考えていく。
GM004には、
まだ続きがある。
いや、
**もう次の物語を始めたがっているのかもしれない。**
海の向こうから、こちらへ。
そして、ここからもう一度。
**GM004の時間を、前へ。**
| 年式 | 1970 |
|---|---|
| モデル | OVERLANDER |